増える疑似の神具
近年、神具は自動化されたり、造花を使われる事も多くなりました。
榊だけでなく、蝋燭なども押せば光るライトのようなものが多くなっています。
そういった電気化される事や疑似の神具を使う事に抵抗をもたれたり、逆に、疑似のもので全然かまわないと言われる方もいらっしゃると思います。
どちらがいいのか…
この答えは、神具が生まれた起源にあります。
では、そもそもなぜ神棚の周りに神具が必要になったのでしょうか。
蝋燭は電気で構わない?そもそもの神具の意味
一つ一つの神具にはそれぞれ意味があります。
例えば、神鏡。
神鏡が神棚に祀られるのは、記紀神話が関連している。
天照大神の岩戸隠れの時、石凝姥命が作ったとされており、天照大神が岩戸を細めに開けた時、この鏡で天照大神自身を映し、興味を持たせて外に引き出した。そして世は再び明るくなった。
それから天孫降臨の時、天照大神から瓊瓊杵尊に授けられ、この鏡を天照大神自身だとして祀るようにと神勅が下されています。
つまり、神鏡には天照大神が宿っているとされています。
神鏡はあまり疑似化する方はいないでしょう。特に日々のお手入れやコストに影響を与えません。
では蝋燭は?
蝋燭はかがり火を表しており、仏閣にある灯籠と同じで一種の照明器具です。
本来の目的が「神棚を照らすもの」という目的になりますので、特にそこが電気になっても目的が満たされているので問題ありません。
では、榊はどうでしょうか。
神様は植物に宿るサカキは天然に限る!
神棚を日々手入れしていく上で、最も手間がかかってコストがかかるのが榊では無いでしょうか。
できれば榊も造花などにしたいものです。
では、榊を祀る理由は?
榊は、その形状に特徴があります。
榊の枝先はとがっており、神様が降りるヨリシロとして最適な常緑植物だとして利用されてきました。
榊だけでなく若松などの常緑植物も利用されてきましたが、その中でも特に尖っていて神のヨリシロに相応しいとして多く利用されてきました。
神様がおりやすいように。
これであれば造花でも良いのでは無いか?
しかし、こんな説があります。
それは古来から神々は植物に宿るという点です。
ヨリシロがあれば、神々が降り立ってくれますが、宿るのは植物である事から、そこに神々はとどまらないと言われています。
また、榊の語源は神と人との境である事から「境木」の意であるという説があります。
手間やコストはかかりますが、
丁寧に祀る事で、神々は祀るものを見守ってくれるでしょう。
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